2010年代の好きな音楽(2010年編)

 2010年代の音楽を自分の中で振り返るために、1年ずつ、だいたい10個、CDを紹介していこうと思います。楽曲初出の年という点では少しズレているかもしれませんが、CDリリースのタイミングに基本的に合わせています。年末までには2019年までまとめたい。

 

 リンクは基本的にapple musicのリンクにしていて、時々youtubeとかになっています。この記事を書き始めて気づいたけれどapple musicがとにかく凄い、ほとんど曲がある。やばい。

 

 坂本真綾は昔から感じていたけどこのあたり未だにむちゃくちゃ渋いですね。MVもショートだらけだし、定額サービスだと、アニュータくらいでしか聞けないんですよね、確か。一時期アニュータに入っていて、あれはあれで便利だとは思いました。アニソンばっかり聞くわけじゃないからやめちゃったけど。好きだったのがライブのセットリストでプレイリストを作ってくれるところ。

 

 CDの感想というよりはバンドとかに対する記憶みたいなものになっちゃってるかもしれませんが、それはお赦しを。でも、この後も同じバンドを紹介するときに似たような内容になってしまうかもしれないので、なるべく楽曲にも光を当てるようにしないととは思っています。

 

放課後ティータイム/Utauyo!!MIRACLE
 go!go!maniacを個人的には超えている曲で、具体的に何が超えているかというと技術力が特に異常だと思ったのでこれをあげました。
 放課後ティータイム自体、超高校生級の技術力と編曲力を持ち、そのプレイの引き出しはどこから持ってきたんだというフレーズセンスに加えて、類稀なる遊び心のある詞で、おそらく大学生、20代以上の軽音野郎の心を射抜いたバンドなわけですが、私は劇中で流れた3ピースの翼をください、2期の後半OPであるUtauyo!!MIRACLEにぶっ飛びながら、こいつらはいったいいつ練習してるんだ...と思いました。

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school food punishment/amp-reflection
 バンドサウンドにこだわってきたこのバンドが、初のフルアルバムを作るにあたって今では江口亮の代名詞ともなっていると個人的には思っている、畳みかけてくるストリングスアレンジを曲に取り入れて、音もフレーズも荒ぶるキーボードと動きまくるベースライン、そしてメカニカルで縦のリズムを感じさせるドラムのバンドが一曲目に持ってきたのはsignalというインスト。もう好きにならずにはいられないですね。ミドルテンポからハイテンポのぶちあがる中にもセツナ的な楽曲が豊富ですが、ゆったりと聞かせてくる04:59、5拍子で突き抜けていくlineなどアレンジの幅の広さがリスナーを飽きさせてくれません。ちなみに、sfpの真骨頂はシングルのカップリングだと思っています。

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アーバンギャルド/少女の証明
 アーバンギャルドの中心人物の松永天馬といえば、知る人ぞ知る詩のボクシングの優勝経験者であり、っていうかその人がバンドやってんの!?と思い、bookoffで手に取ったのが出会いの始まりでした。けいおん!の元ネタというか裏設定というかそんな存在のp-modelYMOテクノポップの先人たちへのオマージュ、サブカル、アングラ、メンヘラ、思春期的なものをこれでもかというほど前面にぶちまけてきて、痛い!やめて!って歌詞カードを見ると思わず思ってしまうんだけれど、CDだと浜崎容子と、曲のアレンジ力で聞かせきっちゃうのが凄いなと思いました。

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people in the box/family record
 people in the boxのメジャーレーベル初のフルアルバム。元々プログレ色が濃いバンドということは風の便りというかインターネットの海の中で目にしていたものの、残響時代に出した人気曲である完璧な庭にはいまいちピンと来ていなかったのですが、2010年にメジャーデビューして、フルアルバム第一作がこれで。
 目覚ましのベルから始まる東京を契機に世界の都市を旅するコンセプチュアルな作品と仕上がっており、もともと高校時代は洋楽ばかり聞いていてこういうコンセプチュアルなアルバムは好きで、気が付いたら角砂糖を謙譲していました。

Family Record

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aquarifa/sprout
 今年活動再開したaquarifaですが、これはボーカルが先代で、エモやオルタナを消化しながらもインディーズということもあってか音は粗削りで尖っているのですが、ミニアルバムとして紹介したいわけではなく、これに入っているスプロールという表題曲が癖のあるリズムで好きで、これのためだけにCD買いました。気が付いたらボーカルが変わっていて、そのあとに出たsceneというのも聞いたんだけれど、ポップな方向にいっちゃってインディーズバンドって難しいなあと思った次第です。

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いしわたり淳治砂原良徳やくしまるえつこ/神様のいうとおり

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相対性理論/シンクロニシティーン

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相対性理論渋谷慶一郎/スカイライダーズ

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 この時期、相対性理論(的なもの)が一定のファン層を獲得したと感じています。ギタマガやキーボードマガジンでもアルバムの特集が組まれていたような記憶があって、コラボ作品(あとは大谷能生かな)、やくしまるえつこソロ作品も出てきて、有名なクリエイター陣がちょっかいを出すようになったんですよね。
 坂本龍一もなにがしかのテレビ番組でテレ東を流したりして、最近面白いと思っているアーティストなんて話をちらっとしたり。恐らく相対性理論が一番勢いがあった時期だと思います、今はもうこういう感じは一般化したけれど。
 LOVEずっきゅんでそれなりに話題になったバンドでしたが、私にとってはスマトラ警備隊のあの歌詞の語感が凄いと思っていて、歌詞にそぐわないように思える単語やともすればきな臭くなりかねない単語を使っていると思うんですよね、それを無味乾燥に脱色して、あの声で届けることはこのバンドが出なかったら少しポップシーンは変わっていただろうなあと思わずにはいられません。
 このシンクロニシティーンというアルバムは、そうしたナンセンスな歌詞、やくしまるえつこのウィスパーボイスがまとまりながら、楽曲もシフォン主義のときなんかと比べて幅広くなってきて、プレイヤーのテクニックも上がってきているのを感じるのと、シンセサイザーが前に出てくるシンデレラ、今まででありそうでなかったハネたリズムの三千万年、メロコア的な荒っぽさを残しつつも切なげな詞を歌い上げる気になるあの娘など、曲が充実していて、まとまったアルバムだなと思います。
 やべえ、長い。でも本当に好きだったんですよ、相対性理論。メンバーが抜けてから新しい相対性理論の音源(TOWN AGE以降)を5年ほど聞けませんでした。

 

ももいろクローバー/行くぜっ!怪盗少女
 私がこの頃に来そうで来ないだろうなと思っていたのが、ゴールデンボンバーの女々しくて(一部では話題でしたが)と、babymetal、そして、ももいろクローバーでした。全部売れてて私は先見の明があったなあと思います。いや、そんなことはなくて、世の中がサブカル化したんだけだと思いますけど。
 地下アイドルがブレイクしたハシリとして、そして今も、ももいろクローバーZとして活動しているけれど、当時はモノノフなんていう愛称もファンにはなくて、楽曲もファンも混沌としていて、それはそれで、というかそれこそが楽しかったのであんまり最近の曲は知らないんですけど、初めて意識して当時アングラに近いアイドルとして思い出深いです。最近、あーりんソロは清竜人で見ました、23歳だってさ嘘だろ。ちょっと前まで14歳って言ってたじゃん。

 

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坂本真綾/DOWN TOWN
 シャフト×新房が月詠から10年ほど無双していた頃の真ん中くらいのとき、それでも町は廻っているのOPを飾ったこの曲ですが、懐かしの曲リバイバル、やたらとこじゃれたアレンジ、本家本元である山下達郎をして凄いと言わしめる服部隆之の編曲。round tableが音楽でクレジットされていて、今でこそ縦横無尽の活躍をしている北川勝利という名前を意識するようになったのはここからです。
 このシングルに入っている、悲しくてやりきれないのアレンジもなかなか良くて、デビュー当初このアーティストって椎名林檎なんかとコラボしそうだなあと思ったらカリソメ乙女で早々とコラボしてしまったSOIL&“PIMP”SESSIONS、の派生ピアノトリオであるJ.A.Mによる演奏です。

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 2010年に出た曲って思ったより聞いているなと感じました、特にブレイク直前。私がいよいよ、サブカル、インディーズに深く足を突っ込み始めた頃だと思います。金はないけど、時間だけはたくさんあるときでした。気持ちもそれなりに、今思うと充実していたんだと思います、間違いないです。今より未知の音楽を探し出し、手に取り、聞く力がありました。そして、これは間違いなく言えるのですが、仕事の都合上もあり、2010年が一番CDを聞きました。少なく見積もって4、500枚くらいは聞いた。仕事がそういうのだったから。あの時一緒に働いた人たちは今、何をしているんでしょうね。

 

 では、ごきげんよう