ファンミーティングのキービジュアルを撮影しているのが都内某所というのは分かりきっていたことではあるのですが、それだけではなく日本デビュー曲のビジュアルは都内と鎌倉で撮影していたということに驚きました。まー、やっぱりなんというか、この辺りの微細に至るところにまでこだわるというのがミン・ヒジンの仕事のスタイルなんだなと感じさせられます。後から考えて、日本でデビューするんだから日本で撮影するのが自然ということは、なんというか当たり前のように見えてしまいますが、当然、そこまでには様々なプロセス、調整等々が必要になるわけで、丁寧に仕事をして、クオリティを高く仕上げるということは難しいわけで、Adorのチームは凄いですね。キャプチャは無しです。
上半期の振り返りみたいな記事をいくつか見てやるかー?と思ったけど、やるなら先月のうちにでは?という気持ちになった。まあ、でも、少し音源と本のことを書いておこうかな。今の自分の流行りにはなってしまいますけど。
<本>
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現代政治理論を専門にする著者が嫉妬を題材に新書を書いていることを知ったときに、どうやって料理して政治と結びつけているのだろうと思いましたが、嫉妬と民主主義の関係性を歴史的に見直しながら、多様な価値観への寛容、評価軸の多様性によって嫉妬という感情と民主主義という制度の間で適切な緊張感、距離感を生むことが出来るのではないかといった内容が書かれています。
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上記の嫉妬という感情は、恐らく近年におけるヨーロッパにおけるポピュリズム政党と呼ばれる政党の台頭、今まさに起こっているトランプ再選かどうかといった流れとは無縁ではなくて、この本では、どのようにしてポピュリズム政党が支持されるに至ったのか、そもそもポピュリズムとはどこから生まれたのかといった歴史を概観しながら、現代におけるポピュリズム政党は従前のイメージである極右的なプロモーションから脱却し、リベラルを自認しながら保守的な主張をすることで、従来の政党政治から見放されてきた人たちの支持を獲得しているということが分かりやすく記載されており、スリリングです。
私はやはり理論的な本の方が好きだなとあらためて。動態的な分析の本はどうにも苦手、学生の頃からそうでしたけど。
<音楽>
篠澤広(CV. 川村玲奈)「光景」(2024年)
作詞作曲編曲:長谷川白紙
ストリングスアレンジ:Arthur Verocai
口の花火でも既になんかやべえ感じに熟してきた感が出てきた長谷川白紙ですが、光景で爆発したように感じます。元々ポップな曲は作れたのだろうけれど、DTM畑ということで奇怪な進行とメロディがありましたが、本来的にはピアニスト・キーボーディストであり、それらが良い感じにミックスしてアウトプットされたように感じます。
作詞:好良瓶太郎
作曲:DJ OASIS・NAOtheLAIZA・A.M.P. Killer
編曲:NAOtheLAIZA
ヒプノシスマイクはJ-HIPHOPへのリスペクトが異常で、基本的にオマージュという形での作品を作るのではなく、今、その人が生きてるならその人におうかがいを立てて、作品を作ってもらおうという、熱量の高さで、この作品もそのようなかたちで出来上がっています。
「H歴維新」の作詞は、ヒプノシスマイクではおなじみとなっている好良瓶太郎、作曲には、日本のヒップホップグループ“キングギドラ”のDJ兼MCを務めるDJ OASIS、音楽プロデューサー、トラックメーカー、エンジニアとしても活動するNAOtheLAIZA、ヒップホップ作品を中心に作曲や編曲、トラックプログラミングなど幅広く活躍するA.M.P. Killer、編曲は、作曲にも参加しているNAOtheLAIZAが手掛けている。
上記リンクからの引用
つまり、キングギドラの平成維新です。今度は谷川俊太郎の詩を交えた曲も出るらしく、本当に頭がおかしい。(褒めてる)
どうやらポエトリーリーディングの手法のようです。
NewJeans「How Sweet」(2024年)
作詞: Gigi, Sarah Aarons, Elvira Anderfjard, Oscar Scheller, Stella Bennett, Tove Burman, DANIELLE
作曲: 250, Sarah Aarons, Elvira Anderfjard, Oscar Scheller, Stella Bennett, Tove Burman
今回のカムバックで楽曲とパフォーマンスのクオリティが一番高いのはHow Sweetかなーと今は思っています。Right NowなんかはMV、歌詞、リズムともども分かりやすい気持ち良さがあるけど、歌詞とダンスが好き、How Sweet。SupernaturalとBubble Gumは、若い人に新鮮みたいだけれど、私はそれほどそういう印象は持たなかった。むしろ、今、K-POPってこんな音やって大丈夫?って感じる。Bubble Gumは良い音で録ってるなーって思ったけれど。あらためてじっくり聞き直すと、後ろのアドリブやフェイクってピッチがゆるゆるなんですが、それを許容しているというか、グループとしてそれが自然体であるというかたちで作品を通して出してくるところにある種のグルーブ感というか、固有のものとして作品が生まれているのかなと感じました。
NewJeansに限らず、曲によってはめちゃくちゃボーカルのトラック数多そうと思ってしまった。
そんな感じです。では、ごきげんよう。