信託型ストックオプションのことをぼんやり考えていた

5月末に信託型ストックオプションの課税上の取り扱いについて国税庁が見解を出して、その後、6/6に財務大臣あてで国税庁が書類を出していたので、あらためてざっと目を通した。

 

信託型ストックオプションにおいては委託者が信託に現金を入れて、信託がその金を発行会社に入れて、それと引き換えに払込価額相当のストックオプションを信託にあげる。信託満了期間までの間、発行会社は定めたタイミングで社員等にポイントを付与して、信託期間満了後、ポイント付与に応じたストックオプションを付与されて、それを好きなタイミングで行使できる、という建付けっぽい。

 

他方で、税制適格ストックオプションにおいては、無償ストックオプション(発行価額0円)で、付与対象者が発行のタイミングで制限されていて、かつ、そのタイミングでどれだけ付与するかも決める必要があって、権利行使期間は最短で2年後、最長で10年まで定められていて、譲渡制限と権利行使限度額がある。

 

こうして考えて見ると、やっぱり、ある程度好きなタイミング(私は信託型ストックオプションの実務をしたことがないので分からないけれど、職責とか在職期間とかで年次か月次でポイント付与できるのではないか)で好きな人に好きなだけポイントを付与できる信託型はかなり自由度があるし、その辺りを好き勝手使われると、通常の有償ストックオプションと比べると開きがありすぎるなあという印象でした。優秀な人材を確保するうえで、特にベンチャー企業ストックオプション制度や株式報酬制度を使って(キャッシュを渡すことは難しいと思う)人を集めるということになるどうから、整理が必要かなという気がしました。

 

信託型ストックオプションの課税上の取扱いについて(国税庁

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai19/shiryou12.pdf

55%なんてなると大変だから分割納付の相談受け付けますということのようです。なんか未納付になったときと同じような感じですね。また、信託型SOについても一定の要件を満たせば給与課税を要しないことを明らかにするとのことで、今後どうなるのかなという感じです。それにしても当人や会社の方は大変でしょうね。仮に会社が負担するような建付けでやろうとすると、給与を所得税や住民税分の負担を増やすということになるので、企業側としては追加で費用やキャッシュアウトしますし、既に退職してる人とかもいたらもう本当にしんどそう。

 

そんな感じですかね。では、ごきげんよう