永訣の朝

同声三部合唱とピアノのための組曲「永訣の朝」より、一 永訣の朝

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恐らく戦後の日本の現代音楽において巨匠というに相応しい西村朗が亡くなったそうで。今年の冬には講演会的なものも予定していたようで、急に亡くなったような感じなのでしょうかね。

私は大学の合唱団に所属していたときに西村朗の曲に触れる機会があり、ヘテロフォニーってすげー!って驚いた記憶があります。私にとって旋律とは単一のモノフォニーであって、旋律が主、律動や和声は従というのが音楽における暗黙の了解に近いというか、モノフォニーはともかく、それよりも複雑化したヘテロフォニーの美しさは、一部の異常な感覚を持つ人たちの感性による特権であり、私のような人間には分かるものではないと思っていたのですが、そうではないということを教えてもらいました。すべての声部が対等でありながら全く別の動きをして、しかも現代音楽においてはそれが偶発的ではなく、仕掛けとして曲の全編にわたって繰り広げられている演奏に自分も確かに参加することができたというのは、私の音楽人生の中で本当に貴重で得難い経験だと思っています。しかも、楽譜を読み込んで練度が上がっていくと全く別の動きをしている他パートを意識した方がアンサンブルできるということにも驚きました。二度とこういう経験はできないでしょう、そういう音楽を演奏する機会はないですからね。

そして西村朗は日本的な響きも大切にしている作曲家だったと感じていて、これは、うん、非常に残念です。戦後生まれの巨匠的な方だと近藤譲松下耕?合唱しか知らないけど。私は現代音楽を全然聴いていないし、現代音楽の良さの大半がよく分からないというタイプの人間なので詳しいどころか、知ってる人が巨匠くらいの知識しかないので、あれですが。戦前だと湯浅譲二間宮芳生......。

西村朗って誰だよって方は、昨年YouTubeで、久石譲と対談されているわけですよ。全音

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では、ごきげんよう