『ヒョンナムオッパへ』(白水社)を読了した

読書メーターに以下のような感想を書いた。

フェミニズム小説集という字面と、『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んだ後だったので、女性であることによる社会の中での理不尽や不遇、生きづらさみたいな小説が並んでいるのかと思いきや、最初の3作はそのようなある意味では王道的な短編が並んでいたが、後の4作では、ハードボイルドだったり、サスペンス調だったり、SF的だったりと、小説の主人公が女性である(従来的には男性が担ってきた役割を、女性が代替している)短編が並んでいた。「すべてをもとの位置へ」「ハルピュイアと祭りの夜」が私は好きだ。

ヒョンナムオッパへ:韓国フェミニズム小説集 単行本(ソフトカバー) – 2019/2/21

「ヒョンナムオッパへ」「あなたの平和」「更年」は、まさにフェミニズム小説という私の中でのイメージを体現している内容だった。例えば、学生時代に知り合った恋人に仕事や行動、生き方、価値観を押し付けられていたことに気づく「ヒョンナムオッパへ」。

私が好きな「すべてを元の位置へ」は、私が知らない韓国の都市開発のこと、何気ない会話から無意識的に男性中心的な社会に晒され続けていることへの違和感が、あるモノの位置に象徴されるようなスリリングな展開でした。「ハルピュイアと祭りの夜」は、寓話的というか、男性と女性が入れ替わっている(でも、正確には入れ替わっていない。直截的な表現ではないというか)ところや、神話やローマからの引用があったり、恐らくそれらも寓話性を高めるために(タイトルのハルピュイアというのもの伝説の生き物だし)レトリカルでカッコつけてる感じで私は好きでした。

 

私は自分で音楽の趣味はいけてると思っているけれど、小説とか思想とか、そういうものの趣味についてはあまりそうは思っていないので、別に他人に勧めるつもりはさらさらないのですが(では、なぜこのような記事を書いているかというと、自分が読んだときの印象を忘れたくないから)読んでいて面白かったです。

 

 

今日は給料日だったけれど、入金はなく、むしろ会社の口座に振込が発生していた。まー、なんとかなるだろと、何がなんとかなるか分からないのだが漠然と思っていたのだけれど、休職時の最初の月の給与明細に目を通して、控除額が15万円近く存在していて愕然とした。働かないと私は会社に15万円を払わなくてはならず、なんならそこに家賃だなんだと支払が発生するので、全体で毎月30万円くらい出費が発生することになる。正直かなり焦っている。持っている株をちょこちょこと売りながら(株高なのが幸いだ)生きていくしかなさそう。少しずつ復職するとはいえ、15万円を手取りでもらえるようには恐らくならないので、なんとかしなくちゃなあ。まあ、なんともならないですし、どうしようもありません。

 

 

今日は身体が動かなかったのでほぼ読書しかしなかった。あとは、見ようと思って見ていなかったウマ娘の3期を4話見た。ヘリンからメッセージが来たが、返す元気はなかった。やっぱり自分の生活とか仕事中に何かが闖入するというのは耐えられない。その一方で、自分は他人の生活や仕事に平気で闖入してしまうのでたちが悪い。社会的に死んだ方がましである。

 

 

では、ごきげんよう