ジェイコブ・コリアーだけど楽器について質問ある? | Tech Support | WIRED Japan を見た。ほか。

ジェイコブ・コリアーだけど楽器について質問ある? | Tech Support | WIRED Japan

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面白く見ました。特にマイナーコードはなぜ悲しく聞こえるのか、という点に対する回答。

これって、なんというか、それが心にどう作用しているのかという問題になって、どうしても抽象的なことになってしまう、もしくはお前にそう聞こえるならそうなんだろうなというところになってしまうのではないかと思っていたのですが(これが、例えば、リズムやコード進行という、時間の経過とそれによる展開ということであれば、そこに何らかの理由付けをすることもできると思うのですが、単純な音が複数鳴っているときの印象というものを、客観的に説明する言葉というものはないと思っていた)メジャーコードを自然界に存在する(モノの音には上方倍音が出ている)、また、悲しくないマイナーコードもあると留保したうえで、下方倍音で物理的にメジャーコードの正反対だからだという解釈は、なるほどなと思いました。これも結局のところ著しく思想的というか宗教的ではあるのですが、ジェイコブ・コリアーはそういう風に整理していたのかと思いました。

 

あと、凄いなと思ったが、いとも簡単にポリリズムを披露していたこと。キモすぎる。最近の一流ってポリリズムくらい余裕で履修してるのか、恐ろしい。

 

 

岩波新書の『新・韓国現代史』を読み終わりました。なんというか、中身は実質的には社会運動史でした。高校生くらいの頃からぼんやりと思想史をやりたいと思っていて、でも、抽象的な概念に対する議論や真理とか善への探求みたいなことにはあまり興味を持てない一方で、今、自分がつらいのは環境や社会、制度や政策によるものなのではないか、それを改善することができるようなことを考えたいということで、政治思想史や社会思想史、マルクス経済学みたいなところを学ぼうということで大学に行ったこともあり、当初の予想(タイトルから政治史みたいなものを想像していた。中公新書のものはまさにそういう内容だったこともあるので)とは異なっていたのですが、光州事件についてある程度知ることができたこと、社会運動史をする人があるだけあって保守、強権的な政権が韓国ではずっと続いていた中で廬武鉉政権への期待みたいなのを文章から感じたのと、ネチズンやろうそくデモについても記載がされていてそこは良かった。政治に関心があったこともあり、学生時代、ろうそくデモには結構衝撃を受けた(日本では学生がデモするなんて皆無で、一部の過激派か頭がおかしいやつ、みたいな価値観があると思うので。それが正しい、間違ってるとかいうことではなく)こともあって、大学生を中心とした反政権的な運動が、ずっと続いていて、状況によってそういうことをするのが当たり前なことの背景を知ることができて良かったです。無論、廬武鉉から続いてリベラル系の文在寅政権において尹錫悦が検察で不遇があるなど、いろいろあるのでしょうが。それに、歴代の大統領が逮捕されたり、廬武鉉に至っては自死(これには当時の保守政権の大統領である李明博が相当バッシングを受けました)したり、決してクリーンな政治とは程遠い国政という一面もある印象がありますが、元首相がテロによって暗殺されたり、会計不正や献金問題が発覚した政治家が一切刑事罰に問われないということも、それはそれでクリーンではないので、なかなか、という気持ちにも読んでいてなりました。この本自体は朴槿恵の大統領就任(朴槿恵も朴正煕の娘ですから、なんか、A級戦犯の子どもが首相になる、みたいなのと似たような印象を受けます)、セウォル号沈没事件までで終わっています。経済の急成長の歪み、人材不足による事故。これも当時痛ましい事故だったなと記憶しています。あとは、韓国におけるニューライトの記述も興味深かった。日本におけるニュライトといわれると、自虐史観に対する批判と歴史修正主義で戦前回帰なのですが、韓国においても歴史修正主義的な側面があるらしく、WW2期における日本の占領の背景が今の経済発展に地続きでつながっている(植民地近代化論)、みたいな見方をする論調があるらしい。なるほどなと思いました、日本のものとは違うなと。戦後肯定となると、日本だとどちらかというとニューレフトで護憲主義みたいなところと結びつく印象があります、ちなみに私は戦後肯定、護憲的(ただ、現政権の改憲の方向性には反対ですが、改憲はしても良いと思う)で、そのおかげで今の私の生活があると思っていて、わざわざ戦前的な価値観を今に引っ張ってくる必要はない(今ある発展と過去の価値観には関連性がなく、今まで持っていたものを捨てるのはリスクだと思うから持っていた方が良い、くらいの感覚です。それによって著しく困っている点があるなら別ですが少なくとも私は困っていない)と思っています。いろいろ考えさせられる読書でした。読書メーターにはこんなに長く感想を書いていませんけど。

 

次に読むのはちくま新書K-POP現代史』です。これを読んでとりあえず韓国現代史は3冊読むことになるので、知識のインプットはやめる予定。時々書いていますが、新しいことを学ぶときには最低3冊、信頼できそうな出版社から出ている本を読む(ちくま新書も私の中では最近はとんでも本みたいなものを出しているイメージですが。岩波は悪い意味で尖って来てしまった。中公は新社になって一時の論調がなりを潜めた時期があるものの、やっぱり安定している気がしています)ようにしています。

 

最近、グループ貼り付けというのを試しています。

 

では、ごきげんよう